宇宙博2014 星出宇宙飛行士トークショー

2014年9月12日(金)

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  • 宇宙飛行士と国際宇宙ステーション(ISS)
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幕張メッセ(千葉県)で開催中の宇宙博2014では、特別イベントとしてJAXA宇宙飛行士によるトークショーを開催しています。9月3日(水)には、星出彰彦宇宙飛行士が登壇しました。

2008年、はじめて「きぼう」に入室するクルーたち

まずは星出宇宙飛行士が2008年に国際宇宙ステーション(ISS)のロボットアームを操作して船内実験室をとりつけた、「きぼう」日本実験棟について。
ISSへの取り付け時のロボットアーム操作訓練を長く続けてきたことや、実験室で現在も行われているたくさんの実験が生活にも直結していることなどを紹介しました。

星出さんにとってのISSとは? という話題になると、「宇宙にある『日本の家』。自分が組み立てたこともあって、宇宙にある『家』のように感じる」。
今後の目標については、「宇宙にある『家』ISSにまた帰りたい。そして火星やもっと遠くの宇宙に行きたいし、みんなが宇宙に行ける時代になるよう貢献したい。そして、日本人宇宙飛行士の次のステップとして、来年ISS長期滞在が予定されている油井亀美也宇宙飛行士をしっかりサポートしたい!」と笑顔で答えていました。

長期滞在注、「きぼう」船内実験室で作業する星出宇宙飛行士

船外活動中の星出宇宙飛行士と「きぼう」

司会者との20分程度のトークを終えた後は、会場にお越しいただいた沢山の観客に挙手をいただいて、質問に答える時間が設けられました。
9月第一週の平日、という日取りのためか、お客様はまだ夏休み中のお子さん、大学生、社会人などさまざまな方がいて、質問も多岐にわたりました。

--- ロボットアームの操作はおもしろいですか?(5歳)

「操作は難しいけど、上手くできたらやった! と思う。それも含めて面白い。」

--- 宇宙飛行士を目指したきっかけは?

「きっかけは、子供の頃NASAケネディ宇宙センターで本物をみたこと。この会場にも様々な本物が展示してあるけど、一緒です。それに加えて、当時ブームだったSF。幼少期に、宇宙に関する理想と現実の両方にふれました。
その後、高校生の時に、毛利宇宙飛行士たち最初の日本人宇宙飛行士が選ばれ、職業として考えるようになりました。」

アポロ17号で実際に使われたパラシュート(宇宙博2014会場で展示)

歴代の宇宙服がずらり(宇宙博2014会場で展示)

船外活動中に写真撮影を行う星出宇宙飛行士

--- 初めて地球を見た時はどう思いましたか?
見ていて好きな景色は?

「思い出すと涙が出そう! 地球が青いのは知っていたけど、実際に自分の目で見ると言葉が出なかった。
また、青だけでなくいろいろな色が見えた。砂漠もあるし森もある。こういう星は宇宙の中でもユニークなんじゃないかと思う。好きな景色は選べないなぁ、でも、やっぱり故郷の日本を見るのはいいですね。」

--- 次に宇宙に行ったとき、最初にしたいことと最後にしたいことはなんです か?(学生)

「宇宙飛行士をしていて初めて受けた質問だ! 考えたことがなかったです(笑)。 最初にしたいのは、やっぱり『きぼう』の壁にそっとさわって『ただいま』と言いたいです。最後は……考えつかないな、考えておきます(笑)。」

国際宇宙ステーション模型(宇宙博2014会場の天井から吊り下げられています)

最後に、星出宇宙飛行士は次のようなメッセージを会場に伝えました。
「会場にあるのは、ハードウェア(展示物)だけど、ハードウェアを作った“人”の力を感じていただけたらと思います。」

こうして、熱気あふれるトークショーは当初の40分間をすこし延長して終わりました。お客様に感想を伺うと、子供の夏休みが終わってようやく時間が取れたので来場できた!という方が「星出宇宙飛行士はすばらしくバランス感覚がよい方だと感じました。どうすれば3人の息子をあんなふうに育てられるかしら!」とおっしゃっていました。

「きぼう」日本実験棟 模型にサインする星出宇宙飛行士

終了後、「きぼう」日本実験棟の実物大展示にサインした星出宇宙飛行士。
開幕以来、古川さん・野口さん・若田さん・星出さんの4名の宇宙飛行士がサインした「きぼう」日本実験棟の実物大展示を見られるのも、いよいよ今月23日(火・祝)までです。どうぞ皆様足をお運びくださいね!