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【レポート】 「宙トーク」第2夜を聴いてきました

2014年2月21日(金)

  • イベント
  • 人工衛星
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1/10, 1/17, 1/24の3夜にわたり、筑波宇宙センターで大人を対象にした特別企画「宙(そら)トーク」が開催されました。JAXA職員のスペシャルトークと、大型試験設備(以下、SITE)の特別見学ツアーがセットになった限定企画。

今回、編集部Machikoが1/17に行われた「第2夜 『宇宙太陽光発電システム(SSPS)について』」の講演に伺いました。
講師は、研究開発本部 高度ミッション研究グループの主任開発員・藤田辰人さん!


開演前の様子

18時半の開場とともに、会場となった筑波宇宙センター・展示館(スペースドーム)には大勢のお客様が入場してきました。

学生さんとおぼしき方から、社会人の方、ご壮年の方もたくさん…「大人のための」と銘打ったとおり、幅広い年代の大人の方がご来場されていました。スタッフによると、1/11の第1夜ははるばる京都からの来場者もいらっしゃったそうですが、今回は宇宙センターがあるつくば市内の方が多めとのこと。来場者の中には、宇宙柄のジャケットをまとった「宙ガール」も!

講演「宇宙太陽光発電システム(SSPS)」

講師トークは70分。
JAXAジャンパーを着た藤田さんが登場して次のようなお話をされ、最後の5分は会場からの質疑応答、という構成で進みました。

宇宙太陽光発電(以下、SSPS)とは・その意義

SSPSとは、宇宙空間(静止軌道)に打ち上げた人工衛星を使った太陽光発電です。送電線の敷設が困難な宇宙からでも、太陽光エネルギーを「マイクロ波」「レーザー」といった形に変換して地上に送り、受信機で受けて電気に変えることで、送電することが可能になります。
参考:研究開発本部のウェブサイトでの解説
ここで、デモンストレーションとして、マイクロ波を発生させる身近な家電「電子レンジ」とLEDライトのついた受信機「レクテナ」が登場。
電池のついていないLEDライトが、電子レンジを作動させることで光り出しました! この不思議な様子は何度か実演され、藤田さんは後ろの観客の皆さんを前に呼び寄せてらっしゃいました。皆さん身を乗り出してしげしげと見入ってらっしゃいました…。
この他、SSPSの「地上の発電と比べた場合のメリット」などが語られました。安全でクリーン・安定供給が可能なSSPS。日夜研究が進められています。

参考:YouTube

NASA/JAXAにおける取り組みの歴史

SSPSのアイデアが最初に生まれたのは1968年のアメリカでしたが、その後財政難などで計画が縮小されてしまったそうです。
一方、日本では、エネルギー資源に乏しい国という事情もあり、早い段階から研究がすすめられ、現在では世界の研究をリードしています。

SSPSを作るには..構想と地上試験の進捗

SSPSには幾つかの方式・モデル構想があるそうですが、いずれも衛星には2km四方また直径2km程度の送電アンテナと同規模の太陽電池が必要で、質量も数万トンの規模になります。
これを宇宙へ輸送するには分割輸送が必至ですし、宇宙で衛星を組み立てる方法なども研究が必要です。輸送系とも共同で研究が進められているそうですよ。

壮大な話ですが、一歩一歩試験が進んでいます。
会場では次のような地上試験の動画が披露されました。

・ロボットが自動で衛星の太陽電池と送電アンテナを組み込んだパネルを組み立てる技術
※宇宙上で衛星を組み立てるには、ロボットの力が必要!
・小さく畳んだ構造物を持って行き、宇宙上で一気に広げる技術
※大きい構造物を小さくして持っていく技術が、SSPS開発には不可欠!

ロードマップ

最後に、実現までのロードマップをお話されて講演は終了しました。
2030年代の実現を目指しているそうです。楽しみですね!

質疑応答

藤田先生から、先に「SSPSよくある質問」のお話があった後、質疑応答がありました。

【よくある質問】

・宇宙からマイクロ波やレーザーを送信して、通りかかった鳥が焼き鳥にならないの?
→2km四方以上の面積を持つ大きなパネルから、やはり直径2km以上の大きなレクテナで受信させる構想なので、通り過ぎる程度なら人間も含めた生物には影響がない。

【質疑応答】

・莫大なコストが掛かると思うが、他の電気事業と競合できるのか?
 →打ち上げコストの低減も含めて、他のエネルギーと競合できるコストでできるか検討している段階。

そして、SITEへ

講演が終わると、SITE見学が待っています。
SITEへの入場は事前の申請等が必要で、飛び込みレポートの私はお見送り。皆様、普段は見られない研究施設へ、いってらっしゃ~い!

講演を聞いた方のコメント

講演終了後、ご参加された方に感想を伺いました。

—筑波宇宙センターに来たのはこの機会が初めてですが、よく宇宙のことを考えてはワクワクしています。今日聞いたSSPSのようなことに、どんどん投資できる国であってほしいと思いました。
宇宙開発が出来る国は限られているし、これから必要になる技術なのでぜひ進めてほしいです。

(30代・茨城県・男性)

—普段から宇宙に興味があり、筑波宇宙センターにもよく来ています。
来場前は、話が難しいのではないかと思っていました。ですが、話を聞いていて「SSPSは将来的には身近になる」と感じ、内容に引き込まれました。もっと長く聴いていたい気分です。
たくさんの人にこの研究を知ってもらえたら、応援を受けて開発が早まるんじゃないだろうかと思います。資源のない国だから、がんばってほしいです。

(30代・茨城県・女性)

講演を終えて

SSPSという高度領域の研究は一般向けとはいえ難しい内容に思えましたが、皆さん熱心にメモをとりながら聴きこまれていらっしゃったのが印象的でした。さすが、”大人”のための宙トーク、といった感じでした。


今後も、各事業所・施設で様々なイベントが行われます。
ファン!ファン!JAXA!での告知をお楽しみに!


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