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“熱い”宇宙? ~ASTRO-Hが観る天体~

2016年1月25日(月)

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  • 人工衛星
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“X線”で観る…とは?

目や地上の望遠鏡が、目で見える光(可視光)を集めて網膜に写し、ものを見分けるように、望遠鏡で天体から放たれるX線を集めて観測することが、X線天文観測です。

一般的な、地上での天体観測の様子(可視光)

X線天文衛星ASTRO-H(CG)

“熱い”宇宙を観る?

物質はそのエネルギー(≒温度)に対応した種類(波長)の光を放ちます。

← 温度  -----------------------------  6000℃程度  ---------  数百万~数億℃  ----------→

たとえば、太陽の表面は約6000度で、可視光を強く出しています。一方、X線は眼では見えませんが、数百万度から数億度という非常に高温のものから放たれ、光子1個につき、可視光の千倍から十万倍程度のエネルギーをもっています。さらに、レントゲンの例でわかるように、X線は高い透過力をもち、ガスやチリで覆われた天体の中からも外に出ていきます。

これらがASTRO-Hミッションのキーメッセージ「熱い宇宙の中を観る」の内容です。

X線を用いて、どんな天体を観るの?

最近の研究によれば、実は私たちが観測できる宇宙の物質の約80%は高温の状態にあり、宇宙はX線で満ちていることがわかっています。X線を出す天体は、決して珍しいものではないのですね!ここで、ASTRO-Hが観測する、X線を放つ天体の代表例をご紹介しましょう。

ブラックホール

ブラックホールはとても謎の多い天体です。強力な重力で光さえも吸いこんでしまうため、ブラックホールを直接に観測することは、原理的にできません。しかし、ブラックホールに物質が吸い込まれるときにできる高温の円盤は、X線などの光を多量に発生させます。 ブラックホールの周りから出るX線を観測することで、私たちは中心にあるブラックホールを間接的に知ることができるのです。最近の研究で、私たちの銀河系を含む多くの銀河の中心には、太陽の数百万倍から数億倍に及ぶ重さの巨大ブラックホールが1個づつあることが分かってきました。

銀河団

画像左:可視光で観たケンタウルス座銀河団 画像右:X線で観た同銀河団

地球から見上げる星空はほとんどが私たちのいる銀河系の中の恒星です。しかし天の川銀河の外には無数の銀河が存在しています。銀河が集まっている構造を、銀河群あるいは銀河団と呼び、宇宙には無数の銀河団があります。銀河団を構成する銀河と銀河のあいだの空間は、じつは真空ではなく、そこには可視光の数倍もの質量を持ちX線で輝く高温プラズマが、充満しています。さらにこうした「見える」物質の約5倍におよぶ未知の存在「暗黒物質(ダークマター)」が潜んでいます。

超新星残骸

X線天文衛星「すざく」で撮像した超新星残骸SN1006。画像左は高電離酸素からのX線(0.57キロ電子ボルト)、 右は3-5キロ電子ボルトのX線によるもの

星は、その一生を終えるときに「超新星爆発」という大爆発を起こすものがあります。超新星爆発が起きると、星を作っていた物質やガスが光速の10%にも達する超音速(マッハ1000以上)で宇宙空間に飛び散っていき、そのエネルギーで数1000万度の超高温になってX線で光りだします。
こうした天体が、超新星残骸です。

ASTRO-Hはこのほか、中性子星や白色矮星など、多くの種類の天体の謎解明に挑みます。

これらの天体に共通することは、内部・周囲が高温や高エネルギー状態となって強いX線を放出することです。高精度のX線観測を通じて、宇宙の成り立ちや極限状態での物理現象を解き明かすのがASTRO-Hのミッションです。



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コメント
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ASTRO-H凄いなー 衛星と言いつつ望遠鏡みたいだなんて...

衛星、といいつつ望遠鏡なんですねー。なかなか難解です。

望遠鏡を搭載した人工衛星です(笑)
望遠鏡の部分も大事ですし、衛星の部分も大事です。


ブラックホールそのものは撮影出来ませんが、ブラックホールから発生するX線を観測することで、そこにブラックホールがあることや、どんな状況かがわかるんですよね。
まるで、透明人間はわからなくても、吐く息をセンサーで調べるようなものですね。
すごいことやってますよね。

宇宙望遠鏡、天文衛星、どう言おうとどっちも衛星です。難解?

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