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縁の下の力持ち。「こうのとり」7号機(HTV7)のお届け品。(NASA・ESA編)

「こうのとり」がお届け!

9月23日に打ち上げ、28日に国際宇宙ステーション(ISS)に結合した「こうのとり」7号機によって、たくさんの物資が運ばれました。

「こうのとり」7号機によって運ばれた物資のうち、今回は、NASA・ESAの主な「お届け品」を紹介します。

宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機(HTV7)のハッチを開き入室するクルー

宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機(HTV7)のハッチを開き入室するクルー
©JAXA/NASA

米国実験ラック

まずは米国の実験ラック「Express Rack(ER)」。

EXPRESSラックは、現在、ISS内に8台(『きぼう』日本実験棟内にも2台設置)設置されているものの、それだけでは足りなくなってしまいました。そのため、今回のHTV7でER9B、ER10Bの2台を追加。

EXPRESSラック ER9B、ER10B(手前の2台)

EXPRESSラック ER9B、ER10B(手前の2台) ©JAXA

また、今回のER9B、ER10Bの2台は従来のラックとは異なり、共通で使用するインタフェースのみに絞った、簡略化されたタイプになります。

EXPRESSラックのサイズは大型の冷蔵庫ほども。「こうのとり」以外ではISSに運ぶことができないサイズであり、今回のHTV7では計4台を運びます。

米国生命科学グローブボックス

米国生命科学グローブボックス(Life Sciences Glovebox:LSG)は、大型の科学実験用のグローブボックスです。グローブを装着したポートから手を入れることで、内部に設置した装置や試料を扱うことができます。サイズは非常に大きく、同時に2人のクルーが手を入れて作業することができます。

今回運搬されるボックスはISSで2台目となり、「きぼう」内に設置される予定になっています。

米国生命科学グローブボックス(LSG)(出典:JAXA/NASA)

米国生命科学グローブボックス(LSG) ©JAXA/NASA

グローブボックスは、内部に設置した実験装置内から、もし有害な材料や液体が⾶散してしまったとしても、⼈が⽣活する船内に漏えいしないようにするために、閉じられた空間となっています。

ESA生命維持ラック

ESA生命維持ラック(LSR)

ESA生命維持ラック(LSR) ©JAXA/NASA

ヨーロッパ宇宙機関(ESA)が開発した生命維持ラック「Life Support Rack(LSR)」。(『Advanced Closed Loop System(ACLS)』とも)は、地球からISSへの水と酸素の補給を減らすことを目的にした、効率的な生命維持システムを実証試験するための装置です。

ESAの生命維持ラック「LSR」の仕組み

ESAの生命維持ラック「LSR」の仕組み

大きくて、頼りになる「こうのとり」

「こうのとり」の特長は、大型・大量物資の輸送能力(最大6トン:カーゴ搭載用の棚構造の質量含む)。そして、2009年の初号機以降のミッション達成率は100%。
世界最大の補給能力を誇り「こうのとり」は縁の下の力持ちとして、ISS運用の根幹を支えています。

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