FAQ

おおきなパラボラアンテナが特徴的だった「はやぶさ」。「はやぶさ2」2つの平面アンテナに変わっていますが、なぜですか?

「はやぶさ2」について,科学衛星や探査機について

左:はやぶさ(イラスト池下章裕) 右:はやぶさ2(プレス公開時の機体写真)


大きなパラボラアンテナを1つ背負っていた「はやぶさ」。「はやぶさ2」では、銀のお皿のような平面のアンテナ2つに置き換わっています。なぜ変更したのでしょうか。

まず、2つの丸い平面アンテナは、高利得(ハイゲイン)アンテナといいます。これは、大量のデータを送るときに使われるもので、「はやぶさ2」の場合には高利得アンテナ以外に、中利得(ミドルゲイン)アンテナと低利得(ローゲイン)アンテナがあります。
直径はそれぞれ90cm程度。家庭向けの標準的なCSパラボラアンテナ(直径45cm程度)の2倍の直径です。

さて、まず高利得アンテナが2つあるのは、「はやぶさ2」では2種類の電波で通信を行うことが理由です。2種類とはXバンドとKaバンドと呼ばれる周波数の異なる電波です。
周波数はXバンドが約8GHzでKaバンドが約32GHz。Kaバンドの方が約4倍速い(同じ時間ならば約4倍多い)データの通信ができるので、「はやぶさ2」が小惑星に到着して観測をたくさん行ったときに、Kaバンドのアンテナでそのデータを地球に送る予定です。

次にアンテナが平面になっている理由ですが、これは技術の進歩によりパラボラ型でない平面のアンテナでも同等な性能が出せるようになったためです。
平面アンテナにすると同じ性能のパラボラアンテナに比べて重さを約四分の一に減らすことができます。少しでも軽くしたい探査機にとっては、非常に好ましいことになります。また、パラボラ型にくらべて熱を集めにくい利点もあります。
日本の月惑星探査では、2010年に打ち上げられた金星探査機「あかつき」から平面の高利得アンテナを使っています。

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