FAQ

「はやぶさ2」の総飛行距離はどのくらいになりますか?

「はやぶさ2」について,科学衛星や探査機について

2014年12月3日に打ち上げられてから2020年末に地球に戻ってくるまでの飛行距離を、太陽を原点に置いた座標系で求めてみると、約52億4千万kmになります。

ただし、この距離にはあまり意味はありません。なぜならば、地上を自動車で何千kmも走ったということとは異なるからです。
「はやぶさ2」を含め惑星探査機が打ち上げられて太陽の周りを回る軌道に乗ると、その後はエンジンを吹かしたりしなくてもそのまま太陽の周りを回り続けます。つまり、時間が経てば自動的に飛行距離は大きくなるわけです。ですから飛行距離が大きくてもあまり自慢にはなりません。むしろ6年間飛行をして戻ってくる、ということの方に意味があります。(ちなみに、同じこの6年間に地球は約56億4千万km動いていますから、地球の方がより長い距離を"飛行"していることになります。)

なお、距離の場合には座標系にも注意が必要です。
上記の距離は、太陽が動いていないと見なしている空間における距離ですが、太陽は銀河系中心の周りを秒速220kmほどで動いていますし、その銀河系自体も宇宙空間の中を動いているわけです。どの座標系で見るかによっても、探査機の飛行距離は大きく異なります。

はやぶさ2 軌道シーケンス [動画]
軌道の概要
2015年10月16日修正