FAQ

宇宙でシャボン玉を作ったらどうなりますか?

宇宙飛行士について

シャボン玉は、うすい石鹸水などでできています。
石鹸の分子(一般には界面活性剤と呼ばれます)の膜は、水が丸くなろうとする力(表面張力)を弱めて大きな直径の膜(シャボン玉)でも破れにくくします。

この時、石鹸の分子の膜は分子の層の間にちょうどサンドイッチ状態に水の膜を挟んでいます。シャボン玉をどんどん膨らませて行くと、この膜の厚さは非常に薄く(100オングストローム、0.00001mm以下)、弱くなり、ちょっとした力でも壊れやすくなります。

たとえば、対流による空気の流れや、シャボン玉自信の重さや厚さのむらなどが原因で壊れてしまうのです。
ところが、無重量環境でシャボン玉を作れば、対流による空気の流れや、シャボン玉自身の重さによるひずみが出来にくいので、大きく膨らませてもかなり安定し、地上よりも長持ちすると考えられます。

ただし、シャボン玉の膜を作っている水分子が蒸発していきますので、徐々に膜が薄くなっていき、やがては壊れてしまいます。地上でも、うまく作ると人が入れるくらいのシャボン玉が出来ますが、宇宙でどこまで大きくできるか、実験した例はまだありません。

STS-131(19A)ミッション時に、山崎宇宙飛行士が自由時間を使ってシャボン玉を作りました。
地上では色を付けることができなかったシャボン玉も、宇宙では色が付くことが確認できました。

表面張力の教育実験