FAQ

地上で微小重力実験はできますか?(その2)

宇宙の理科について

地上で微小重力実験はできますか?で説明した落下塔よりもっと長い時間微小重力環境を作り出す方法に、パラボリックフライト(放物線飛行)という方法があります。

パラボリックフライトの例(放り投げられたボールの中は無重量)

地上で微小重力実験はできますか?で説明したように、落下しているカプセルの中の物体はカプセルと同じ速度で自由落下するので無重量状態になります。それと同様に、放り投げたボールの内部もボールと一緒に放り投げられたときの力と重力の合成した力に従って自由落下しているので無重量状態になります。

この放物線を描いて飛ぶことをパラボリックフライトといいます。

航空機を使用したパラボリックフライトは、放物線運動を行うように航空機を操縦して機内に無重量環境を作り出します。

ボールを投げるときできるだけ強く上向きに投げることで地面に落ちるまでの時間を長くすることができるように、航空機でもできるだけ長い無重量環境をつくるためにパラボリックフライトに入る直前で最大速度に加速して急激に機首を上げ、エンジンをアイドリング状態にします。

そして慣性と重力に任せた放物線運動を行い、安全に回復できるように機首下げ角が限界を超える前にエンジン出力を上げ、機首を引き起こして通常飛行に戻します。

パラボリックフライト
パラボリックフライトによる加速度変化のイメージ

日本のダイヤモンドエアサービス(株)が行っている双発小型ジェット機MU-300でのパラボリックフライトでは、1回当たり10-2g以下の微小重力環境を約20秒間作り出せます。

NASAが宇宙飛行士の訓練などに使用しているジェット輸送機KC-135Aでは、およそ1回当たり25秒間のパラボリックフライトができます。この訓練では、加速度の変化に酔って嘔吐してしまうことがあるので、このKC-135A輸送機はVomit Comet(嘔吐彗星)と呼ばれています。


航空機によるパラボリックフライトのイメージ